自動車保険

公開:2022.06.27

更新:2022.09.06

雹(ひょう)の被害は車両保険で補償される!

2022年6月2日から3日にかけて、関東地方各地に大粒の雹(ひょう)が降り、住宅や車、農作物などに多くの被害をもたらしました。運転中や屋外駐車中に雹の被害に遭い、車の修理を余儀なくされたという方も多いのではないでしょうか?

突然の雹被害で車に損害を受けた場合、車両保険に加入していれば補償の対象となります。この記事では、雹被害の補償と車両保険を使う場合の注意について解説します。

1. 夏は雹の被害が多い

雹とは、直径5ミリ以上の氷の塊です。同じ氷の塊でも、直径5ミリ未満のものは霰(あられ)に分類されます。雹や霰は、積乱雲の中でできた氷の粒が上昇気流で冷やされることにより大きくなり、重くなった氷の塊が溶けきらずに地表に落下したものです。

夏の時期、とりわけ5月~6月は、大気の状態が不安定で積乱雲の発生が多くなるため、雹の被害も増えます。とくに北海道や東北の日本海側、北関東の内陸部などは雹が降ることが多いようです。

6月2日から3日に降った雹は、大きなものでゴルフボール大(直径4センチ)。SNSでも「大粒の雹で車ボコボコ」と話題になりました。氷の塊は大きくなればなるほど落下速度が速くなり、危険性も高まります。

ちなみに、記録に残っている世界最大の雹は2010年にアメリカのサウスダコタ州で観測されたもので、なんと直径20センチを超えます!こんなものが上から降ってきたら、命の危険を感じてしまいますよね。

2. 雹被害は車両保険(一般型・エコノミー型)で補償!

雹の被害で車の屋根やボンネットがへこんだり、ガラスがひび割れたりした場合、自動車保険は使えるのでしょうか?

結論から言うと、自分の車の修理費用は車両保険の補償対象になります。つまり、車両保険に加入していれば保険を使うことができます

車両保険は、単独事故なども補償される一般型と、補償の範囲が限定されるエコノミー型(限定型)の2タイプに分けられることが一般的です。エコノミー型は補償が限定されるため、一般型よりも保険料が安くなります。雹の被害は、「飛来中の他物との衝突」という扱いになり、一般型でもエコノミー型でも補償の範囲内です

■一般型とエコノミー型の補償内容の比較
一般型とエコノミー型の補償内容の比較

3. 雹被害で車両保険を使うと翌年1等級ダウンする

雹の被害で保険を使うと、次の年等級が1つ下がります。雹被害だけでなく、台風や落書きなど以下のような「運転者が注意しても防ぎきれない事故」で車両保険を使った場合は1等級ダウン事故に該当します。

  • 落書き・いたずら
  • 盗難
  • 飛来中または落下中の他の物との衝突
  • 台風・竜巻・洪水・高潮
  • 火災
  • 騒じょうまたは労働争議にともなう暴力・破壊行為
  • 上記以外の偶然な事故

 

4. 雹被害で車両保険を使うと翌年の保険料はどうなる?

雹の被害で保険を使うと、保険料はどうなるのでしょうか。1等級ダウン事故の場合、翌年は1つ等級が下がり、1年間事故あり係数が適用されるため、保険料が高くなります。

たとえば無事故17等級の場合、翌年の契約から1年間は事故あり16等級となり、保険を使わない場合と比較して、保険料が24%高くなります。また、その後事故がなかった場合でも4年間は等級の差が生じます。

■1等級ダウン事故で保険を使う場合と使わない場合の比較

雹被害によって、屋根やボンネットがへこむ、ガラスにひびが入るなどの損害を被ると、修理費が数十万~数百万円になることもありえます。「修理代>翌年の保険料の割増分」となる場合は、車両保険を使ったほうがよいでしょう。

また、免責金額を設定している場合は自己負担が生じます。たとえば、修理代150万円、免責金額10万円のケースでは、140万円が保険金として支払われます。

5. 雹の被害を防ぐには

雹は自然現象なので、いつ、どこで降るか予測するのは困難です。被害を防ぐためには、車用のカバーやビニールシートで車を覆い、雹の衝撃を和らげるとよいでしょう。雹だけでなく、花粉や鳥の糞などの汚れも防ぐことができます。また、車上荒らしや盗難の防止にも効果的です。

6. まとめ:雹被害に遭ったら保険会社に連絡を!!

雹被害は、車両保険(一般型・エコノミー型)に加入していれば補償の範囲内となります。雹によって車が破損すると、多額の修理費がかかることがあります。翌年の保険料が上がったとしても車両保険を使うほうがよいケースがあるので、まずは保険会社に連絡をしてみましょう。

「翌年の保険料アップが心配!」という人は、満期前にダイレクト型の自動車保険に変更する方法も検討しましょう。ダイレクト型の保険会社は店舗を持たないため、人件費や家賃などがかからず、保険料が安くなります!

これからの季節、大雨や台風などの自然災害が多くなります。大切な愛車を守るためにも、事前にしっかり備えをしておきましょう。

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WRITER

保険ノリアル編集部

ちょっと分かりにくい損害保険(火災保険や自動車保険、ペット保険など)について、なるだけ分かりやすく解説していきたいと思っています。とても大切な保険なので、入ってから後悔する人が少なくなるように、おすすめの保険についても紹介していきます。

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