春の訪れを告げる桜の花は、日本人にとって特別な存在。ほころんだ花を、思わず写真に収めたくなりますよね。せっかく撮影するならインスタ映えする桜が撮りたい～！今回はそんな人におすすめの、ドライブで訪れたいスポットを桜前線に沿ってご紹介します。公益財団法人日本さくらの会日本さくら名所100選に選出されている全国の名所の中から、12か所をピックアップしました。

1. 西日本編

前半は西日本の桜スポットをご紹介。九州地方から中国四国地方、近畿地方の6か所にクローズアップします。

1-1. 忠元公園（鹿児島県）

鹿児島県からご紹介するのは、伊佐市の忠元（ただもと）公園。市街地を一望する丘の上にある桜の名所で、園内には2kmの道沿いに約700本の桜が並びます。開花時期には例年千数百にのぼる提灯でライトアップが実施され、幻想的な夜桜を楽しむ見物客で賑わいます。公園の名の由来となった島津家の武将・新納（にいろ）忠元を祀る忠元神社にも参拝してみてはいかがでしょうか。

■所在地：鹿児島県伊佐市大口原田2484-193
■見頃：3月下旬～4月上旬

1-2. 湯の児チェリーライン（熊本県）

車窓から桜を愛でるなら、熊本・水俣市の湯の児（ゆのこ）チェリーラインがおすすめ。遠く天草諸島を望む八代海に沿った海岸道路で、約5kmの桜並木が連なることからこの愛称がつけられました。青く輝く海をバックに、どこまでも続く桜は圧巻。近隣にある大崎鼻公園や和田岬公園で、ゆっくりお花見するのもいいですね。例年、湯の児温泉から運行される海上花見船（有料）も人気があります。

■所在地：熊本県水俣市浜
■見頃：3月下旬～4月上旬

1-3. 斐伊川堤防桜並木（島根県）

島根・雲南市の斐伊川（ひいかわ）堤防桜並木は、中国地方随一とも言われる桜の名所です。日本書紀や古事記に出てくるヤマタノオロチが棲むとされる斐伊川沿いの堤防に現れるのは、全長約2km、およそ800本の桜のトンネル。例年、沿道には多くの屋台が出て、多くの花見客で賑わいます。夜にはぼんぼりに明かりが灯され、情緒あふれる夜桜を堪能することができます。

■所在地：島根県雲南市木次町木次
■見頃：3月下旬～4月上旬

1-4.千光寺公園（広島県）

瀬戸内海に面した尾道市にある千光寺公園は、広島県内屈指の花見スポット。小津安二郎監督の『東京物語』、大林宜彦監督の『時をかける少女』などの映画のロケ地としても有名です。JR山陽本線尾道駅の北側にある、標高144.2mの千光寺山の中腹から山頂にかけて広がる公園には、毎年、ソメイヨシノをはじめ、シダレザクラやヤエザクラなど合わせて約1,500本の桜が咲き乱れます。穏やかな海と瀬戸の島々を背景にした壮大なスケールの桜をじっくり味わってください。

■所在地：広島県尾道市西土堂町19
■見頃：3月下旬〜4月上旬

1-5. 海津大崎（滋賀県）

近畿エリアで遅咲きの桜スポットとして知られているのが、滋賀・高島市の海津大崎（かいづおおさき）。琵琶湖の西岸にある景勝地で、琵琶湖八景にも数えられています。湖岸に4kmにわたって連なる約800本のソメイヨシノは、1936年の大崎トンネル開通を祝って植えられたもの。湖の青と山々の緑の間を帯のように染める桜は、見る者の心を揺さぶる奥琵琶湖の春の風物詩です。

■所在地：高島市マキノ町海津
■見頃：4月上旬〜中旬

1-6. 吉野山（奈良県）

奈良・吉野町の吉野山は、関西随一との呼び声もある桜の名所です。その数は約3万本。日本古来のシロヤマザクラをはじめ、約200種類の桜が咲き誇ります。標高200m～800mの山を埋めるように、山下から山上へ順に開花していくので、長い間見頃が続くのが特徴。「一目で千本見えるほど豪華」という意味で一目千本と称されます。開花に合わせてライトアップも行われ、夜闇を美しく彩ります。

■所在地：吉野郡吉野町吉野山
■見頃：4月上旬～下旬

2. 東日本編

続いては東日本編。中部地方、関東地方、東北地方、そして北海道のとっておき桜スポットを、6か所ピックアップしました。

2-1. 高遠城址公園（長野県）

まずは、、、長野・伊那市にある高遠（たかとお）城址公園をご紹介します。ルーツは、かつて高遠藩の馬場に咲いていたタカトオコヒガンザクラ。明治時代のはじめ、江戸幕府が倒れて荒廃していた高遠城址に旧藩士たちがこの桜を移植しました。今では毎年、約1,500本がやや小さな赤みがかった可憐な花をつけます。信州の山々と桜の競演を楽しんでください。

■所在地：長野県伊那市高遠町東高遠
■見頃：4月上旬～中旬

2-2. 高田城址公園（新潟県）

徳川家康の六男・松平忠輝が居城とした高田城。その跡に整備された高田城址公園（新潟・上越市）の桜も人気を博しています。公園内とその周辺を艶やかに彩る桜は約4,000本。三重櫓（さんじゅうやぐら）とともにライトアップされる情景は多くの人を魅了し、日本三大夜桜に数えられています。桜の開花に合わせて「高田城址公園観桜会」が催され、期間中は約300の露店が立ち並びます。

■所在地：新潟県上越市本城町44-1
■見頃：4月上旬～4月中旬

2-3. 熊谷桜堤（埼玉県）

ソメイヨシノと菜の花のじゅうたんが約2kmにわたって続く、埼玉県の熊谷桜堤。江戸時代から知られる、関東有数の桜の名所です。熊谷桜堤は、約400年前に鉢形城（寄居町）の城主だった北条氏邦が、荒川の氾濫に備えて築いたとされます。何度か枯れてしまったものの、明治から昭和にかけて植樹が行われて復活。土手沿いを埋め尽くす約500本の桜は壮観です。

■所在地：埼玉県熊谷市川原町２丁目地先
■見頃：3月下旬～4月上旬

2-4. 角館武家屋敷通り・桧木内川堤（秋田県）

みちのくの小京都と称される、秋田・角館（かくのだて）。4月中旬になると、表町から東勝楽丁（ひがしかつらくちょう）まで続く武家屋敷通りに、シダレザクラが優美な花を咲かせます。そして桧木内川（ひのきないがわ）の土手沿いには、約2kmにわたって続くソメイヨシノのトンネル。角館の街じゅうが淡いピンク色に染まり、その美しさに誰もが心奪われてしまいます。

■所在地：秋田県仙北市角館町
■見頃：4月中旬～5月上旬

2-5. 弘前公園（青森県）

青森県が世界に誇る弘前（ひろさき）公園の桜は、そのボリュームが群を抜いています。公園内で私たちを待っているのは、ソメイヨシノをはじめ約50種類、2,600本ほどの桜。一つの房に4～7個もの花がつくため、神秘さえ感じる情景が広がります。弘前城を囲む外堀の水面近くまで枝を伸ばした桜と一面の花いかだは、弘前公園ならでは。とくに夜桜は美しく、「映える」一枚を撮影しようと、多くの観光客が訪れます。現在、大規模修理工事のため天守が70mほど移動した弘前城。岩木山を背景に、桜とお城を眺められるのは、今しかできない楽しみです。

■所在地：青森県弘前市下白銀町1
■見頃：4月下旬～5月上旬

2-6. 二十間道路桜並木（北海道）

最後にご紹介するのは、北海道の道南エリア・新ひだか町にある二十間道路（にじっけんどうろ）桜並木。その名の通り、幅36m（二十間）の直線道路の両端に、7kmにわたって桜が並んでいるスポットです。大正時代に近隣の山々から移植されたというエゾヤマザクラが、およそ2,000本。北海道遺産にも選出された、北の大地の遅い春を彩る絶景を味わってください。

■所在地：北海道日高郡新ひだか町静内田原・御園
■見頃：5月上旬～中旬

3.まとめ：桜の季節を心ゆくまでに楽しもう！

ここまで、インスタ映えする桜スポットを西日本・東日本に分けてご紹介してきました。大切な人や気のおけない仲間とドライブを楽しみ、それぞれの地域で大切に受け継がれてきた桜をゆっくり楽しんでくださいね。春の陽気に誘われて、車で遠出をしたくなるこの時季。万が一の事故に備えて、自動車保険の補償も見直しておくと安心です！