自動車保険

公開:2022.04.12

更新:2022.06.30

修理代200万円!新車BMWで事故り自動車保険に救われる

2021年9月、それまで中古の国産車にばかり乗っていた私は、思い切ってBMWを購入しました。私にとって車は、単なる移動手段にすぎませんでしたが、憧れの車を手に入れたことで、車=人生を豊かにしてくれるものに変わりました。そんな中、思わぬ事故に見舞われ、保険のありがたみを実感することに!この半年間、BMWに乗って感じたこと、考えたことをつづります。

1. 新車購入計画

わが家の新車購入計画は、10年間で8万キロを走った国産車と同じメーカーで、少しグレードアップした新車を予定していました。

予算は約400万円。

新しい車をいろいろ物色するのは楽しいものです。人気のSUVか、スポーツタイプのクーペスタイルか、はたまた最新の電気自動車か…検索しながらいろいろ悩んでいるうちに、ふとある事に気がついてしまいました。

「400万円あれば、憧れのBMWの中古車が買えそうだ!!」

そうなると昨日までさんざん物色していた国産車が一気に色褪せて見えてきました。「年齢的に、あと2回くらいしか車を買い替えることはないだろう(現在50歳)。価格や燃費、実用性を考えれば日本車なんだろうが…いや、ここは子どもの頃から憧れていたBMWに乗る最後のチャンスなのではないか!」

というわけで、もう頭の中はBMWのキドニーグリルでいっぱいです。

キドニーグリル

キドニーグリルとは、まさしくBMWの顔。左右に並んだフロントグリルが腎臓(kidney)に見えることからこう呼ばれています。

2. すごいぞFR(後輪駆動)

さんざんネットで検索した結果、目星を付けた中古車のBMWを物色するため遠路はるばる八王子のディーラーまで行ってきました。

目当ての車を物色しているとディーラーがひとこと。「中古車はすぐには試乗できないのですが、あちらに新型車があるので試乗してみませんか?」もちろん断る理由はなく、早速試乗させてもらいました。

最初に乗ったのは、狙っていた2シリーズのグランクーペ。

次いで定番の3シリーズのセダン。

そして4シリーズのクーペ。

やはりグレードが上がれば上がるほど、性能も乗り心地も、こちらのテンションも上がっていきます。市街地を2~3キロ流しただけですが、やはりこれまで乗ってきた日本車と比べると、加速性能、静粛性、ハンドリング、居住性すべてが上に思えてきます。

とくに3、4シリーズはFR車(後輪駆動)なので、アクセルを踏んだときの軽快な加速、ハンドルを切ったときに思ったとおりに曲がる心地よさがあります。

「これが駆け抜ける歓びか!」

一緒に試乗した妻も、やはりBMWの助手席というステイタスに酔いしれているようです。というわけでその日は大満足で試乗を終え、ディーラーには検討する旨を伝え帰宅しました。

3. BMW4シリーズの誘惑

翌日からBMW購入の具体的な検討が始まりました。

まず当初候補に考えていた2シリーズは、実際に乗ってみると、FF車(前輪駆動)だったこともあり、BMWならではの運転する楽しさに欠けていたため却下。

そうなると3シリーズ以上のFR車なのですが、マンションの駐車パレットの車幅制限により3か4しか駐車できません。SUVのXシリーズは車高制限にひっかかるのでこれもダメ。なおかつ、これが重要なのですが、マンションの同じ駐車スペースに最新型の3シリーズセダンがすでに二台も鎮座しているのです。

同じ車がすぐ近くにいるのもちょっとなぁ…というわけで3シリーズも却下。

となると4シリーズ一択になるのですが、ここで4シリーズがどういう車種なのか少し補足させてもらいます。

4シリーズは2021年にフルモデルチェンジしたばかりの最新モデルです。BMW史上最大と言われる特大の縦型キドニーグリルが大きな特徴で、ここは好き嫌いが分かれ発表当時は賛否両論が沸き上がったそうです。

個人的にはその獰猛な顔つきはむしろ好みで、2や3シリーズと一目瞭然で判別されるのもうれしいところです。ただし2ドアのクーペタイプしかありません(4ドアのグランクーペが発表されましたが、こちらは納車まで1年くらいかかるとのこと)。2ドアクーペのメリットは、美しくなだらかに伸びる後方のシルエットです。これはセダンにはないクーペならではの優雅でラグジュアリーな雰囲気があります。

いっぽうのデメリットは、後部座席が狭いこと、乗り込むときにいちいち前の座席を倒す必要があります。さらにドアが大きくて重いので、狭い駐車スペースでは隣の車にドアパンチしないよう気を遣います。

そして最大の懸案は、中古車市場にはまだ旧型しか出回っていないため、試乗したモデルは新車でしか購入できない!したがって予算400万円を大幅にオーバーしてしまうことです!!

4. 買うべきか?買わざるべきか?

4シリーズクーペはおいくらか?

ざっくりいうと車両本体価格で589万円~1,029万円まで、グレードによって幅があります。

詳細は省きますが、最上位グレードは四輪駆動の3000cc、6気筒エンジンを搭載したスペシャルモデルでとても手が出ません。最下位グレードのスタンダードモデルは、いわば素の状態でボディカラーは白か黒しか選択できず、いろいろオプションを追加していくと結果、割高になることもありえます。

私のこだわりは、ボディカラーはメタリックブルー、インテリアは本革仕様だったので、いろいろ比較検討した結果、420i・Mスポーツパッケージに狙いを定めました。

車両本体価格で644万円!けっこうな予算オーバーです。

5. なけなしの退職金で新車を購入

当初の予算を200万円以上オーバー!どこからお金を捻出したかというと…虎の子の退職金です。

二十数年間勤務した会社を辞めた際に得た、いくばくかの退職金があり(といってもたいした額ではないのですが)、これは老後の生活資金として預金していました。

いわゆる「ライフプラン」とやらを考えれば、ぜいたく品に退職金を充てるのは言語道断で、実際妻にも猛反対されました。

どのように妻を説得したか?

1. 折りしものコロナ禍で私の仕事には追い風が吹き、業績は好調で賞与も増え、昇進昇給の内示が出ていること

2. 世界的な半導体不足で新車も中古車も値上がりしており、買うなら今がベストタイミングだということ

3. そもそも退職金は自分が働いて得た成果であり、その使い道を決める権利は自分にあること

…うんぬんかんぬんで、なんとか押し切りました!!

6. BMW値引き交渉

いざ購入となると、手持ちの車をいかに高く買い取ってもらい、どれだけ値引きしてもらうかが重要なポイントになります。

まずは車売却の話からしましょう。

結果から言うとBMWのディーラーが最高値を付けてくれました。ただし、ほかの中古車買取業者との相見積もりの結果そうなったので、やはりこれはやるべきでしょう。当初の40万円を49万円まで引き上げることができました。

次にディーラーとの値引き交渉です。

事前にBMWを所有する知人から聞いた話やネットで調べた情報では、かなり渋いと聞かされていました。折りしもの半導体不足による車体不足の状況もあり、困難な交渉が予想されました。

これも結論を言うと、合計41万5556円を値引きしてもらいました!

発売直後の新型モデルであることを考慮すれば、まずまずの額だったと思います。

値引きできた理由は、最初に予算を明確に伝えたこと(これ以上は出せない!)、金銭ではなくオフィシャルの付属品を遠慮なくお願いしたこと(ゴルフバッグやPCケース、キーケース、タオル、ぬいぐるみ等で8万6350円)、そしてディーラーがこれらに応じてくれたのはBMWのディーラー保険に加入したからだと思われます(保険については後に詳しく話します)。

BMW納品請求書

7. 納車後のBMWライフ

かくして契約から約1か月後の9月25日、ついにBMW420i Mスポーツが納車されました!

納車翌日の早朝、朝焼けのなかの首都高ドライブは格別でした。時速100㎞あたりまでの加速感はエンジンの吹け上がるサウンドとともに恍惚とするほどの気持ちよさです。高速でのコーナリングもピタッと思い通りに曲がってくれて、不思議なことにロール感も少ない。路面の凹凸を滑らかに乗り越える感じもまさに高級車の乗り心地です。

首都高ドライブ

とくに軽井沢までドライブし、碓井峠の曲がりくねった道を運転したときがこの車の本領発揮でした。思い通りに車を操っている感覚が本当に楽しくて、まさにBMWのスローガンである「駆け抜ける歓び」を思う存分体感しました。

軽井沢ドライブ

まだほとんど走っていない最新モデルなので、街中ではかなりの注目を集めます。この高揚感は、ちょっとイヤらしく響くかもしれませんが人生の勝利者気分です。休日のたびにドライブに出かけ快適なBMWライフを満喫していました。

あの悲劇が起こるまでは…

8. クリスマスの惨劇

12月25日の朝、いつも通りにマンションの駐車場を出て3秒後に悲劇が起こりました。

ナビの目的地設定をしながらハンドル操作をしていたら、ガクンと強い衝撃に襲われました。

慌てて車を停めて確かめてみると…路上に細かいガラスやプラスチック片が散乱しています。車は左側のヘッドライトが大きくひび割れて、バンパーの一部が破損し力なくぶら下がっていました。

あのときの気持ちはなんと表したらよいでしょう。現実感がなく、ぼんやりした感じでしばらくその場にしゃがみ込んでしまいました。

しかし現実に起こったことはとても単純で、よそ見運転をしていたら右折しきれず、ガードレールに左斜めから衝突したということです。

時速10㎞程度だったと思われますが、擦ったというレベルではなく、左フロントは完全に破損しています。運転歴20年以上でこんな初心者のようなミスは初めてのことで、なおさらショックでした。新しい車に慣れてきて、気が緩んでいたというほかありません。

幸いガードレールが少し曲がった程度で、歩行者や人家などの被害がなかったのは不幸中の幸いというべきでしょう。

その後、警察に連絡し簡単な現場検証が行われました。ディーラーに連絡するとすぐにレッカー車を手配してくれ、愛車はテープで応急処置を施され、牽引されていきました。

レッカーされるBMW

9. 自動車保険に救われる

よく自動車保険のCMで、事故を起こして途方に暮れた人が保険会社のオペレーターと電話で話して安心するという一幕を見ますが、まさにあれです。

私の場合はディーラーが保険代理店を兼ねていたため、その後の事務処理はすべて対応してくれました。とくに感動したのは、事故を起こした当日の夕方には代車として最新型の3シリーズが提供されたことです。無料で1か月間使用できるとのこと。

BMW3

ガードレールの修理や、車両修理の見積もりなど、保険会社との連絡はすべてディーラーがしてくれたので、こちらは何もする必要がありませんでした。

車両は見た目以上に破損が激しく、ドイツ本国から部品を取り寄せるなど大掛かりな修理が必要で、それなりの費用が発生すると聞かされていたため、保険会社と面倒な交渉や手続きをするものと思っていましたが、それらが一切なかったのは、とても救われました。

初めての事故だったので比較はできないのですが、やはりBMWのディーラー保険だったことは大きかったように思います。

BMWを購入するにあたって、自動車保険をどうするか悩みました。それまで乗っていた車は中古車だったので、今回も「車両保険なし、特約もできるだけ付けない内容で、現在の保険契約を変更しよう!」と考えていました。

しかし、手持ちの車を高く買い取ってもらったこと、もろもろ値引きしてもらったこと、高級車に乗るのが初めてだったことなどを考慮し、ディーラーで自動車保険に加入することに決めました。新車なので車両保険も付けました。事故を起こしたから言えることではありますが、結果的にこの選択は正しい判断でした。

私が契約した自動車保険の補償は以下のとおりです。

自動車保険(A社)
対人賠償:無制限
※対物超過修理費用特約、不正アクセス・車両の欠陥等による事故の被害者救済費用特約、心神喪失等による事故の被害者救済費用特約が自動付帯
対物賠償:無制限
人身傷害:5,000万円
※入院・後遺障害時における人身傷害諸費用特約が自動付帯
車両保険:一般補償(免責金額:10万円)
※新車特約、全損時諸費用特約が自動付帯
特約:運転者限定特約・弁護士費用特約・日常生活賠償特約・車両保険無過失事故特約・長期保険料一括払特約
保険料:541,460円(5年)17等級

今回の事故をきっかけに、「自動車保険は、事故を起こした時のことを想定して補償を検討しなければならない」と痛感しました。至極当然のことなのですが、普段はどうしても保険料を安くすることに重きを置いてしまいがちです。

10. 修理費用200万円が10万円の負担で済んだ!

事故から約2か月後の2月20日、完璧に修復され新車同然となった愛車が戻ってきました。修理の明細書を見ると80項目にわたる細かな記載があり…

修理費用の総額は200万8413円!

担当者いわく「保険適応だったので、最高の修理工場をあてた」とのこと。それにしても200万円!高くついたなぁ…というのが率直な印象です。

免責金額の10万円の支払いで済んだことに心の底から感謝しています。もし車両保険を付けていなかったら…と想像すると身震いがするほどです。

BMW修理明細

これまで払った自動車保険料をはるかに超える恩恵を受けることとなりました。そして保険のしくみの本質を理解できたように思います。

思うに保険とは、リスクを見知らぬ多数の人と分担しシェアするしくみです。自分は事故なんて起こさないと思っていても(実際私がそうでした)、ある日突然の不幸に見舞われるリスクは誰にでもあります。そのリスクをみんなで負担することが保険の本質だと思います。仮に無事故でカーライフを終えたとしても、払った保険料は無駄だったと考えるのではなく、事故を起こした誰かのために役立てられた、と考えるべきだと思います。

これは自働車保険に限らず、すべての保険も同じです。保険はいざというときの自分のために入ると同時に、誰かのいざというときの支援のためのものだと今は考えています。

11. まとめ:駆け抜ける歓びと備えの大切さを知る

老後の蓄え数年分と引き換えにBMWを購入し、半年が経ちます。ハンドルを握るたびに、「車の運転が楽しい!」と感じるとともに「事故は二度とごめんだ」という思いが頭をよぎります。BMWよ、駆け抜ける歓びと備えの大切さを教えてくれてありがとう!

  • 自動車保険

WRITER

保険ノリアル編集部

ちょっと分かりにくい損害保険(火災保険や自動車保険、ペット保険など)について、なるだけ分かりやすく解説していきたいと思っています。とても大切な保険なので、入ってから後悔する人が少なくなるように、おすすめの保険についても紹介していきます。

  1. ホーム
  2. 自動車保険
  3. 自動車保険コラム
  4. 修理代200万円!新車BMWで事故り自動車保険に救われる