火災保険
2021.08.19

火災保険の基礎知識:建物価額の見積りで補償額が決まる

火災保険は「家が入る生命保険のようなもの」、と考えている人も多いのではないでしょうか?まあ間違いとも言えませんが、火災保険(を含む多くの損害保険)と生命保険には、覚えておきたい根本的な違いがあります!

それは、生命保険は「事前に契約した一定金額を給付する」のに対して、損害保険は「事故や災害による損害額を補てんする」という点です。万が一のときに受け取れる保険金額の決め方が、双方で大きく異なるのはそのためです。

この記事では、火災保険の保険金額をどのように設定すればよいのかを見ていきます。

1. 保険金額の基準は建物の評価額

生命保険の保険金額(保障額)は、基本的に必要に応じて決められます(職業や年収などによる制約はあります)。それに対して多くの損害保険の保険金額(補償額)は、対象となるモノの価値に応じて決める必要があります。

火災保険の機能は損害を補てんすることですので、実際の損害額を超える保険金は受け取れません。生命保険の場合、いくつもの保険会社と契約して巨額の保険金を備えることも不可能ではありませんが、火災保険(を含む多くの損害保険)ではそういったことはできません。

そんな基本的なしくみを踏まえれば、加入する最初のステップが「建物の適正な価値(評価額)を知ること」である理由も、理解できることと思います。

評価額を下回る保険金額では、イザというときに保険金で損害を補えませんし、反対に保険金額が評価額より大きいと、無駄な保険料を払うことになってしまいます。受け取れる保険金額は損害額が限度なので、想定される損害額を超える保険金額を設定しても意味がないというわけです。

2. 「再調達価額(新価)」と「時価」では大違い!

建物の評価額には2つの基準があります。再調達価額新価とも言います)と時価です。

再調達価額とは、その建物と同等(構造や用途、規模、グレードなど)のものを再び建築、あるいは購入するために必要な金額のことです。いっぽう時価とは、再調達価額から年月を経て生じた消耗分(減価分)を差し引いた金額のことです。

時価 = 再調達価額 - 時間の経過にともなう減価額

ここでしっかり頭に入れて欲しいのは、火災保険の保険金額は、再調達価額を基準に設定する必要があるということです。

一般的に、建物の再調達価額は年月とともに上昇し、その時価は下落していきます。仮に時価を評価基準にしてしまうと、万が一のときに保険金だけでは再建できない恐れがあります。損害額は、「事故が起きた時点の時価」(保険に加入したときよりも値下がりしている可能性大)を基準に算出されるためです。そうした事態を防ぐために、近年は、再調達価額をベースに保険金額を設定するのが通常となっています。

基本契約が再調達価額ベースの仕様になっている商品も多いですし、特約(価額協定保険特約など)をセットする必要がある商品もあります。いずれにしても、知らずにいたら時価で火災保険の契約をしてしまう可能性がないとは言い切れません。火災保険に加入するときは、再調達価額を基準としているかをきちんと確認しておきましょう。

3. 評価方法①:新築物件の場合

建物の評価方法を見ていきます。

保険に加入する時点で新築物件であれば、その建築価額が評価額となります。不動産価額ではないので注意しましょう。火災保険の対象は建物ですから、不動産の購入代金総額から土地の価額を差し引きます。建売り住宅のように建物価の額が分からない場合は、購入したときに支払った消費税額から逆算することができます。土地には消費税がかからないため、以下の簡単な計算式で建物の価額を割り出せます。

建物の価額 = 物件購入時に支払った消費税額 ÷ 0.1

4. 評価方法②:中古物件の場合

中古物件の場合は、建築された年と当時の建築価額を元に計算する方法(「年次別指数法」「再取得価額法」など)があります。建築年ごとに決まっている係数(価格変動率など)を建築価額にかけて、再調達価額を算出します。

再調達価額 = 建築価額 × 価格変動率

建築年や建築価額が分からない場合には、建物の部材毎に決まっている「1㎡あたりの標準的な単価」(新築費単価)と延床面積から、再調達価額を計算します(「新築費単価法」「概観法」など)。

再調達価額 = 新築費単価 × 延床面積

これら各評価法の取り扱いは保険会社によって違うため、同じ物件だから評価額も同じとは限りません。

5. マンションなら共用部分の価額を差し引く必要アリ

マンションの場合、専有部分と共用部分の境界を定める基準が2通り(「上塗り基準」と「壁芯基準」)あり、そのどちらが適用されるかによって評価額が違ってきます。

上塗り基準は住戸と住戸の境目などはすべて共用部分で、専有部分は専有部分側の上塗り部分だけとする基準で、壁芯基準は住戸と住戸の境目などは中央部分までを専有部分とする基準です。後者は専有部分が広くなるため、評価額も高まることになります。マンションの評価基準については、管理組合の規約などで確認しておきましょう。

6. まとめ:契約時や更新時に建物の価値を評価することが大事!

火災保険契約における「肝」は建物の評価額だと言うことが、お分かりいただけたでしょうか?年月が経てば、評価額も当然変わっていきます。万が一の補償をしっかり確保するには、契約時だけでなく更新のたびに建物の価値を改めて評価して保険金額を見直したいものです。

ちなみに長期契約の火災保険の場合、保険期間中でも保険金額を見直すことができます。この記事を読んで気になる点があった人は、加入している保険会社や代理店に、ぜひ気軽に問い合わせてみてください!

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