火災保険

公開:2022.09.29

更新:2022.09.29

九州を襲った3つの自然災害を振り返る

九州は集中豪雨や台風、噴火などの自然災害が多く、近年も平成28年(2016)年の熊本地震、平成29年(2017年)の九州北部豪雨、令和2年(2020年)7月豪雨と大きな被害が発生しています。被災した九州各県では、災害を風化させない取り組みとして、災害遺構を保存する活動がおこなわれています。残された記録としての災害遺構を教訓に、将来身近に起こるかもしれない自然災害に備えましょう。

1. 九州に自然災害が多い理由

九州は、国内のほかの地域と比較して自然災害の多い地域です。九州に自然災害が多い理由は「地理的に梅雨前線の影響を受けやすく、台風の通り道であるため豪雨災害が起こりやすいこと」、「国内の活火山111のうち17(阿蘇山・雲仙普賢岳・桜島など)が九州にあり、火山灰の堆積でできたシラス台地は保水性が低いため、土砂崩れが起きやすいこと」などが挙げられます。

2. 九州で起こった近年の大規模自然災害

近年、九州で起こった3つの大規模災害について振り返ってみましょう。

熊本地震 平成28年(2016年)4月

平成28年(2016年)4月14日(前震)と16日(本震)に発生した熊本地震。九州で初めて震度7の揺れとなっただけでなく、観測史上初めて、同じ地域で2度も震度7の地震が起こりました。地震による被害は大きく、内閣府「平成28年(2016年)熊本県熊本地方を震源とする地震に係る被害状況等について」(平成31年4月12日現在)によると、家屋全壊が8,667棟(熊本県8,657棟、大分県10棟)、死者数(震災関連死を含む)276名(熊本県273名、大分県3名)となっています。

熊本県益城町で震度7の揺れを2度観測
震源地に近い熊本県益城町では、平成28年(2016年)4月14日の夜にマグニチュード6.5、震度7の揺れ(前震)、同16日未明にマグニチュード7.3、震度7の揺れ(本震)を観測しました。建物の損壊や、前震のあとで家へ帰宅した住民が本震による家屋の倒壊で亡くなるなど、2度の大地震により被害は甚大なものになりました。

熊本城の石垣が崩壊
益城町から車で約30分のところにある熊本市では、熊本県民のシンボル熊本城の土台の石垣が崩れ、県民の心に大きな傷跡を残しました。

阿蘇大橋の崩落
震源地の北東に位置する南阿蘇村では、山の大規模な斜面崩壊により全長約200メートルの阿蘇大橋が崩落。ちょうど橋を車で通過していた男性が土砂に巻き込まれ行方不明となり、のちに死亡が確認されました。土砂崩れによる道の寸断、橋の崩壊によりインフラが途絶え、南阿蘇村では学生など約1,000人が孤立しました。

九州北部豪雨 平成29年(2017年)7月

平成29年(2017年)7月5日~6日の間、九州北部で記録的な大雨が降り、多いところでは総降水量が500ミリを超えました。福岡県朝倉市、大分県日田市などでは、24時間降水量が観測史上1位となりました。40名(福岡県37名、大分県3名)が犠牲となり、現在も2名が行方不明のままです。

甚大な被害が出た福岡県朝倉市
福岡県朝倉市は、死者33名、行方不明者2名と被害の大きかった地域です。線状降水帯の発生により、朝倉市黒川では9時間雨量が778ミリという大雨を記録しました。

過去最大級の流木災害
九州北部豪雨は林業の盛んな山間部で起こったため、大規模な土砂崩れによる大量の流木が発生しました。土砂と流木が一緒に流れたことにより、全壊、半壊などの家屋被害を大きくしました。

令和2年7月豪雨(2020年)

令和2年(2020年)7月3日から4日にかけて降り続けた記録的豪雨により、熊本県南部を流れる球磨川が氾濫し、熊本県人吉市、球磨村などに大きな被害をもたらしました。人吉市では、球磨川の水位が観測史上最高の7.25メートルに達し、市全体の約1/3の家屋が浸水被害を受けました。熊本県全体では、家屋全壊1,493棟、家屋半壊3,117棟、死者数67名(災害関連死を含む)の被害が発生しました。

浸水した老人ホーム
球摩川近くに立地した特別養護老人ホーム千寿園(球磨村)は、川の氾濫により浸水が約3メートルに達しました。避難活動を続けていた途中で1階部分が濁流にのみこまれ、入所者14名の命が奪われました。災害リスクの高い場所に施設が建てられたことで、大きな被害が発生したと言われています。

3. 災害を風化させないために

将来、いつどこで起こるか分からない自然災害を風化させないために、各被災地では災害の傷を災害遺構として次の世代へ残すための取り組みが始まっています。

熊本地震

地震により崩落した阿蘇大橋は、震災遺構として、崩れ落ちたままの状態の橋げたが保存されています。令和3年(2021年)3月には、阿蘇大橋から600メートル下流に、新阿蘇大橋が建設されました。熊本県観光交流政策課では、益城町など地震被害の大きかった地域に点在する被災地の遺構を回廊型フィールドミュージアムとして公開しています。

九州北部豪雨

平成30年(2018年)11月、九州北部豪雨により3名が犠牲となった東峰村(福岡県)に、東峰村災害伝承館が開館しました。施設内には、災害の記録や防災マップなどで危険個所を分かりやすく伝える展示があります。施設の整備と運営に関わる九州大学工学部教授・アジア防災研究センター、センター長の三谷康浩教授は、インタビューで「災害っていうものを人は忘れたがる、記憶から消すのではなく残し伝えるための施設」と語っています。

令和2年7月豪雨

球磨川の氾濫で崩落したJR肥薩線の球磨川第一橋りょう、第二球磨川橋りょうは、地元住民が協力し災害遺構として保存される取り組みがおこなわれています。

4. 火災保険・地震保険で万一に備えよう

自然災害により住宅に大きな被害を受けた場合は、被災者生活再建支援制度が適用され、最大300万円の支援金が支給されます。しかし、公的支援だけでは生活再建が難しいのが実情です。万一の場合に備えて損害保険に加入しておくとよいでしょう。

台風や豪雨などの水害で建物や家財に被害が生じた場合は、火災保険(水災補償)でカバーされます(詳しくは「火災保険の基本補償:水災編」をご覧ください)。

また、地震による被害は地震保険でカバーされます。地震で発生した津波による被害も火災保険ではなく地震保険で補償されるのでご注意ください(詳しくは「地震保険とは~地震・津波・噴火による損害に備えよう~」をご覧ください)。

5. まとめ:過去の教訓を忘れずに自然災害に備えよう!

宮崎県に住んでいる著者は、妊娠中に熊本地震の余震震度4の揺れを体感しました。これまでにない大地が大きく揺れ動くような地震で、大きな被害はなかったものの、その時感じた恐怖は忘れられません。大災害がいつ起こるかは誰にも分かりません。過去の災害を教訓とし、将来起こりうる災害に対しての備えを今一度確認しましょう。また、自然災害に備えるために、火災保険や地震保険への加入も検討しておくとよいでしょう。

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WRITER

立野 朋子(ライター)

1983年宮崎県宮崎市生まれ。語学留学・短大卒業後、和菓子会社や新聞販売所を経てママ向けライター講座を受講しライターに。主にイベントや新店舗オープンなど、話題のニュースを取材し記事にしています。家族のために頑張るママへ、家族と楽しい時間を過ごせる新鮮な情報をわかりやすくお知らせします。

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