火災保険

公開:2021.12.20

更新:2022.01.28

火災保険料は保険期間で異なる!~気になる途中解約についても解説~

火災保険に加入する際に、保険期間の設定をどうするかは悩みどころです。火災保険の保険料は保険期間によって違いがあり、5年長期で契約した場合、1年あたり保険料は1年ごとに契約し直すよりも割安になります 。

とは言え、長期で契約するとなると、途中で解約したときに支払った保険料がどうなるのか気になりますよね。この記事では、火災保険の保険料と保険期間について、途中解約のことにも触れながら解説していきます。

1. 火災保険の契約期間は1年・5年・10年などから選択

火災保険の契約は、以前は住宅ローンの期間に合わせて最長36年間という長期での契約が可能でしたが、2015年10月以降、契約は最長で10年までとなりました。

補償期間が短縮された背景として、自然災害が頻繁に発生している近年の状況があります。保険料算出の参考となる参考純率を出している損害保険料算出機構は、「36年間に起こる自然災害などのリスクを予想し保険料を決定することは困難」とし、金融庁に届け出を行いました。このため現在の保険期間は、1年~10年契約までと設定されたのです。

火災保険は契約が長期になるほど割引がきき、保険料が安くなります。また保険料の支払い方法を選択するときに、毎月支払う「月払い 」、1年分をまとめて払う「年払い」、契約時に全期間分をまとめて支払う「一括払い」のうち、一番保険料が安くなるのは一括払いです。つまり、長期と一括払いを組み合わせた長期一括払いが、最も保険料が安くなる支払い方法になります。

長期一括契約をすることでどれくらい保険料が節約できるのか、保険会社R社で見積もりをしてみます。下記の条件の場合、1年一括払いでは1万9,350円なので、10年間支払うと19万3,500円になります。一方、10年一括払いでは17万3,790円。つまりこの2つの契約では、10年一括払いにすることで約2万円の節約となります。

◎長期一括払でどれくらい保険料が安くなる?
保険期間/保険料 一括払い保険料 1年あたりの保険料
1年 19,350円 19,350円
3年 52,560円 17,520円
5年 85,550円 17,110円
10年 173,790円 17,379円

※保険会社R社で見積り:東京都(水災リスク料率B)、T構造(新築木造一戸建て120㎡)、建物保険金額2,500万円、補償内容(火災・落雷・破裂または爆発/風災・雹災・雪災/水災/水濡れ・盗難等/破損・汚損等/その他の費用保険金等/個人賠償責任補償特約1億円)

2. 長期契約で途中解約した場合は未経過料率係数が適用される

ここまで読んで「保険料がお得になるなら!」と、長期契約を希望する人が出てくるかもしれません。しかし同時に、「途中で引っ越したり、家を売却することになったり、保険を見直したくなったりしたら、残りの契約はどうなるの?払った分の保険料は戻ってくるの?」、といった疑問も出てくるのではないでしょうか。

家を手放すときは基本的に火災保険の解約が必要となり、契約期間が満了になる前に解約すれば解約返戻金が受け取れます。この解約返戻金のことを未経過保険料とも言い、保険会社で提示している未経過率係数によって金額が算出されます。

保険期間を2年以上、払込方法を長期一括払とした場合の未経過保険料の計算式は、以下になります。

<算出のイメージ>
未経過保険料 = (長期一括払)保険料 × 未経過料率

<短期料率表>
既経過期間 短期料率
7日まで 10%
15日まで 15%
1か月まで 25%
2か月まで 35%
3か月まで 45%
4か月まで 55%
5か月まで 65%
6か月まで 70%
7か月まで 75%
8か月まで 80%
9か月まで 85%
10か月まで 90%
11か月まで 95%
1年まで 100%
<未経過料率係数>
経過年月\保険期間 2年 5年 10年
1か月 87% 94% 97%
2か月 81% 92% 96%
3か月 76% 90% 95%
4か月 71% 88% 94%
5か月 65% 86% 93%
6か月 62% 84% 92%
7か月 60% 83% 92%
8か月 57% 82% 91%
9か月 54% 81% 90%
10か月 52% 80% 90%
11か月 49% 79% 89%
1年 0か月 46% 78% 89%
2年 0か月 0% 58% 79%
5年 0か月 0% 50%
10年 0か月 0%

※経過年月について、1か月未満の端日数は切り上げて1か月とします
※上表にない保険期間・経過年月については、上表に準じて決定されます
※地震保険普通保険約款に基づく契約が付帯されている場合、地震保険普通保険に基づく契約には、長期保険料払込特約(地震保険用)が適用されます

試しに上記の表で計算してみると、8年契約の保険料50万円を3年2カ月で解約した場合、計算式は「50万円 × 60% = 30万円」となり、30万円が解約返戻金として戻ってくることになります。8年(96カ月)契約で50万円ということは、保険料を月換算すると約5,200円です。3年2カ月(38カ月)契約していたとすると、19万7,600円になります。50万円の保険料を支払い、3年2か月で解約して30万円が戻ってくるのであれば、途中解約をしても大きな損にはならないことが分かりますね。

ちなみにこれは持ち家だけでなく、賃貸の火災保険でも同様です。賃貸の場合は賃貸契約時に火災保険に加入するのが一般的ですが、賃貸契約期間の途中で退去するときは火災保険も解約することになり、保険料が解約返戻金として戻ってきます。

3. 長期契約と短期契約のメリット・デメリット

保険料という側面のみで見れば、火災保険は長期契約がお得と言えます。しかし、メリットだけに目を向けるのはよくありません。長期と短期、2つの契約を比較してみましょう。

長期契約のメリット

  • 短期契約に比べて保険料が割安になる
  • 10年契約の場合、更新するのは10年に一度なので更新手続きの手間が少ない
  • 契約時に保険料を一括で払えば、支払いをうっかり忘れるといったことがない

長期契約のデメリット

  • 保険の契約内容を忘れてしまうおそれがある
  • 保険の見直しをせずに放置しがちになる
  • 一括払いを選択すると、契約時に保険料としてある程度まとまったお金が必要になる

短期契約のメリット

  • その時々の状況に応じた保険の見直しをしやすい
  • 契約内容を覚えていられることが多い
  • 契約時にまとまった保険料を準備しなくてよい

短期契約のデメリット

  • 長期契約に比べて保険料が割高
  • 更新を忘れたりすると、無保険になってしまうおそれがある
  • 更新手続きの手間が多い

このように、長期と短期にはそれぞれメリットとデメリットがあります。それを把握した上で、どう契約するかを判断しましょう。

4. 過去に長期一括で支払いを済ませた人は要注意!

2015年10月以前に、住宅ローンに合わせて35年の長期契約などをしているような人は、補償内容が対応しているか、改めて確認する必要があるかもしれません。昔と比べて大きな自然災害が多く発生するようになり、以前は災害リスクがなかった地域でも、今はどんな災害が起こるか分かりません。長期契約をしている人は、ぜひ契約している補償内容の見直しをしておきましょう。

最近は幅広いニーズに対応するため、損害の種類をカスタマイズできるようになっていることが一般的ですが、過去の古いタイプの保険では、住宅火災保険と住宅総合保険のどちらかを選択することが一般的でした。住宅火災保険を契約した場合は、水災補償が補償の対象になっていません。水災補償が必要な地域に住んでいるような人は、補償内容を見直しておくと安心でしょう。

5. 保険期間が最長5年になる見込み

2015年に最長36年から最長10年に短縮された火災保険の契約期間ですが、2022年後半をめどに、保険会社各社が期間を最長5年に変更する見通しです。ここ数年の大規模な自然災害の多発により、収支改善が必要になったことなどが、その理由です。

6. まとめ:保険料を安くするなら長期契約!定期的な見直しも

火災保険は、契約時の保険期間によって保険料が変わります。保険料を安くしたいなら、契約期間を長期にするのがよいでしょう。途中解約しても解約返戻金が戻ってくるので、損をするおそれも少ないと言えます。

ただし最終的には、保険料以外の部分も含めて判断をする必要があるでしょう。自然災害の増加などで、加入当初は必要ないと思っていた補償を途中で付けたくなるかもしれません。火災保険は契約したままで放置せずに、定期的に見直しすることをおすすめします。

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